当社一柳が代表を務める構想エネルギー21研究会は10月3、4日に施設見学会を実施しました。見学先は鞄本製鋼所室蘭製作所です。
構想エネルギー21研究会のメンバー19名で訪問しました。まず、日本製鋼所室蘭製作所の概要、沿革等について、佐藤所長(常務取締役)よりご説明いただきました。

工場内では、まず世界最大の14,000トン水圧プレスによる鍛錬の模様、電気炉で1,200℃に加熱された鋼塊が加工されるタイミングに重なり、普段なかなか目にすることができない工程を見学することができました。
次に、原子力発電所の圧力容器の部材や、タービンローターを製作する機械工場では、鍛錬工程で鍛え上げられた茶褐色の素材が加工・成形される様子を見学しました。成形後は、非破壊検査などにより表面、内部の傷の有無を入念にチェックし、微細な傷があれば廃棄し、作り直すことなど、品質への厳しい取組みについても説明頂きました。
この他、鉄構工場では、石油精製用の圧力容器の製造工程を、圧延工場では、天然ガス輸送管路にも使用されるクラッドパイプの製造工程等、工場内を見学させて頂きました。
最後に、歴史的にも非常に貴重な建造物である「瑞泉閣」や、日本刀製作技術の保存を目的とした「瑞泉鍛刀所」を見学させて頂きました。瑞泉閣は、明治44年、大正天皇が皇太子在位時に室蘭製作所を訪問された際の宿泊所として建築された建物で、過去に宿泊された初代内閣総理大臣の伊藤博文等の貴重な品が数多く展示されています。
また、鍛刀所では、現在も刀匠・堀井家の技術を継承されている5代目当主胤匡氏の実演を見学しました。
 
見学後の質疑応答では、室蘭製作所を取り巻く現状や、エネルギー問題の動静が及ぼす影響など様々な質疑が交わされました。
日本製鋼所は、世界有数の鋳鍛鋼技術を有していながら、高度経済成長以降の世情の変化から受注量が減少し、工場の設備・人員を縮小するなど大変厳しい時代を迎えることになりましたが、当時の経営陣は、自社の保有する技術を最も効率的に活かすことでき、かつコスト・品質両面から最適なエネルギー関連分野の製品に的を絞り、操業を続けて来たそうです。最近では、世界的な原子力特需や天然ガス需要の波が押し寄せ、工場の稼働状況はほぼ100%となり、今後のさらなる需要の伸びを考慮し、敷地内に鍛錬工場等の増設工事を進めているそうです。
また、工場内の鍛錬工程など大型の鋼塊を加工する工程でも、機械のオペレーションは、人の手に委ねられており、長年の歴史が培った技術・技能の伝承と、人材育成に力を入れているとのことでした。日本製鋼所が世界各国から受注する強みを聞かせて頂くなど、大変有意義な意見交換となりました。
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