− 東京新宿ロータリークラブ ウィークリー・レポートNo.1137より抜粋 −
 
一柳 良雄    
ベンチャー魂
 

(株)一柳アソシエイツ
代表取締役 一柳 良雄
 先行き不透明な時代となりました。20世紀の後半、 日本は驚異的な発展を遂げて経済大国に成長しましたが、今日、経済環境は激変しています。閉塞感が漂 う情況の中で、自信喪失気味です。しかし、今の時代は新しい産業がどれくらい育つかによって、日本経 済の発展は左右されるのです。まさに、ベンチャーが時代をきりひらくことが求められているのです。
 今の大変革の潮流を試練ととらえるのか、チャンスととらえるのか?多くの大企業経営者は、混迷する 情況を「大変な試練の時」ととらえ、慎重に検討し守りに軸足をおきがちです。そして、対応は後手後手 なのです。他方、ベンチャーの多くは既存の構造のひびわれ(ニッチ)をみて、「今はチャンス!」とと らえます。チャンスだと認識して挑戦するとそこには、色々なビジネスチャンスの機会が広がってきます。 要は、我々の軸足を“試練”という立場におくか、“チャンス”という立場におくかによって、将来の方 向性が決まってしまうのです。
 とはいえ、ベンチャーはなかなかしんどいものです。冷静に大企業とベンチャーを比較すれば、ベンチ ャーはとても大企業に太刀打ち出来ません。何故なら、大企業には、ベンチャーにはないヒト・モノ・カ ネ・情報・ブランド・信用力がありますが、ベンチャーはいくら頑張っても、大企業に及びません。然る に、何故、大企業に対抗して成功するベンチャーがあるのか?よく考えるとベンチャーは大企業に勝てる 三つの要素をもっています。それは、@「スピード」A「ハングリー精神(ガッツ)」B「失うものがあ まり無いことでチャレンジし易いこと」です。
 堀場製作所の堀場雅夫会長は、ベンチャーの振興のために頑張っておられる人であります。堀場さん曰 く、『地球は46億年前に誕生した。人類は、350万年前に生まれた。イエス・キリストは2000年前に生まれ た。もし、仮に地球を46歳と仮定しよう。そうすると人類の年齢は2週間弱、キリストは約10分前に誕生し、 自分は20秒前に生まれたことになる。すると、堀場雅夫の残る人生はあと2〜3秒のみ。それは、“まばた き”に等しい。瞬きで自分の人生が終わる。即ち、人間は必ず死ぬと考えたとき自分の存在は、何だった のか?自分は何のために生きてきたのか?そう考えたとき、自分は、社会に貢献したかというような“生 きた証”を残したいと思う。私は、この地球上に存在して、あれは私がやったんだというものがあるとい うことが、自分の人生にとっての最大の幸福だと思います。それが人生であり、同時に自分の価値観、信 念、哲学にほかならないと思います。』だから堀場さんはイキイキとベンチャー支援活動を一生懸命やっ ておられ、輝いているのです。
 政治の世界でベンチャー的に成功した政治家として田中角栄氏がいます。彼は、リーダーシップをもっ ていました。それは、ビジョン(目標)、決断力、実行力、情熱であります。これはベンチャー起業家に 通じるものです。
 ベンチャー魂は、夢(志)をもち、人間として信頼でき、社会的責任を認識し、情熱をもって、決断、 実行するものといえます。
 要は、社会に貢献する“ほとばしる自己実現”にほかならないと思います。
 
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