株式会社 一柳アソシエイツ

構想エネルギー21研究会

2017.01.26 更新

一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第104回勉強会を開催しました

 2017年1月19日 当社社長一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第104回勉強会では、当研究会副代表幹事で経済地域研究所代表・エコノミストの飯倉穣様に『日本経済の課題-エコロジーの視点を含めて-』とのテーマでお話しを頂きました。

飯倉 穣 氏

飯倉 穣 氏

 飯倉様は、故下村治博士の経済の見方を研究している現実直視のエコノミストです。今回戦後経済の推移から日本経済の現状並びにエコロジーの視点を含めた今後の課題について大いに語って頂きました。なお、下村博士は、高度成長、オイルショック後のゼロ成長、「前川レポート」の間違いとバブル崩壊という経済の転換を正しく指摘する等、戦後経済を的確に予測した唯一のエコノミストと言われております。

 先ず始めに、戦後経済の復興期、高度成長期・中成長期・オイルショック調整低成長期の1985年頃までの政策対応は良好であったと説明が有りました。その後のバブル経済と崩壊・リーマンショック調整から現在までのアベノミック期については、成長可能な投資要因の欠如と財政負担の限界の制約下で、明確な定義のない「構造改革」や「成長戦略」の政策選択により、日本経済の先行きは危ういとの判断をしております。

 今後に向けての経済運営の主要な課題について以下の5点を指摘しております。
①財政破綻の回避可能性:破綻を回避する適切な負担の徹底
②成長と技術開発(創造):個人、大学、企業等の国際力向上であり、日米経済の格差は日米大学格差という認識
 であること。
③金融:金融政策の中立性と金融システムの健全性維持、国民の貯蓄志向に適合した金融システムの構築
④海外情報インフラの抜本的再構築:資源確保、海外投資、販路、リスク低減、国際通貨体制の模索等
⑤環境とエネルギー:石油代替の可能性、再生エネルギーの限界、原子力推進の困難と手詰まり感、地球環境問題
 への対応の可能性

勉強会風景

勉強会風景

 最後に、飯倉氏の近年の主要研究テーマであるエコロジーとエネルギーについての視点からの説明がありました。人間は、自分の個体維持に必要なエネルギーが石油換算88リットル/年であるのに対し、余暇等の社会的欲求充足のニーズが高まり現在の一人当たりエネルギー使用量は5千リットル/年となっている。人類にとって環境適応の未来はあるかとの問題意識で研究を進めている。以下の諸点がテーマということです。
                                           
・エコロジー:地球生態系と人口問題(環境収容能力)
・経済:経済活動と水準の問題(非自然循環廃棄物)
・エネルギー:エネルギー選択問題(非化石)(自然ネルギー、原子力・核融合)

 質疑応答では、「日本の大学競争力の弱さと対応」、「国債発行限度と日銀の信用問題」、「インフラ投資のタイミング」、「現実直視や現場重視」等についての議論で大いに盛り上がりました。


新年会風景

新年会風景

 その後、毎年恒例の新年懇親会に移りました。出席者からは、「エコノミスト下村博士について、現実直視で現場の数字をベースに理論を展開した稀有のエコノミストがいたと初めて知ったが、飯倉さんには是非若い人々にその真髄を伝えて欲しい。」或いは「トランプ大統領の雇用重視の政策は果たして上手く行くのか注目したい。」などの声が多く有りました。更に、今年も激動の一年になりますが、当研究会でしっかり勉強して行こうと語り合いました。

 


【講師略歴】
飯倉穣氏プロフィール飯倉 穣(いいくら ゆたか)様 1947年(S22)9月3日生
学 歴
1970年(S45)3月   東北大学法学部卒業
職 歴
1970年(S45)4月   日本開発銀行入行
1991年(H3) 3月   米国スタンフォード大学国際政策研究所(派遣)
1992年(H4) 4月   鹿児島事務所長、鹿児島経済大学等非常勤講師
1994年(H6)5月    地方開発局地域開発調査部長、
1995年(H7)3月    地方開発営業部長、法政大学非常勤講師
1997年(H9) 6月   エネルギー部長
1999年(H11)6月   設備投資研究所長
1999年(H11)10月   日本政策投資銀行設備投資研究所長
2000年(H12)6月   東京都市開発(株)常務取締役
2001年(H13)     構想エネルギー21研究会幹事(01年~)
2004年(H16)     東北大学大学院環境科学研究科非常勤講師兼務(04年~12年)
2007年6月(H19年)  東京都市開発(株)代表取締役専務
            新都市熱供給(株)兼新宿熱供給(株)代表取締役社長
2010年(H22年)    学習院大学非常勤講師兼務(~2014年)
2010年7月(H22年)  (株)教育環境研究所代表取締役社長就任(~14年5月)
2013年10月(H25年)  東京工業大学大学院理工学研究科原子核工学専攻非常勤講師
2015年2月(H27年)  経済地域研究所設立・代表就任
2016年10月(H28年)  学習院大学経済学部非常勤講師
現在         経済地域研究所代表・エコノミスト
           学習院大学経済学部非常勤講師
           鹿児島商工会議所参与・鹿児島市中心市街地活性化協議会会長
           構想エネルギー21研究会副代表幹事

現在の研究テーマ   下村治博士の研究と敗戦後の日本経済史
           地球エコロジーとエネルギー選択
            地域経済の現状と展開