株式会社 一柳アソシエイツ

構想エネルギー21研究会

2017.11.29 更新

一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第110回勉強会を開催しました

モデレーター 嶋津 八生 氏

モデレーター 嶋津 八生 氏

 2017年11月21日 当社社長一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第110回勉強会を開催しました。今回は『電力・ガス小売完全自由化の進展と今後の課題-会員企業の営業戦略を踏まえて-』をテーマに、積極的な取り組みをしているメンバー3社から発表して頂きました。モデレーターを当研究会幹事の嶋津八生氏が担当し、メンバー3社の以下3名の推進責任者のお話をお聞きしました。JXTGエネルギー㈱リソーシーズ&パワーカンパニーリソーシーズ&パワー総括部長井上啓太郎氏、関西電力㈱お客様本部営業企画部門営業企画部長明徳毅氏、東京ガス㈱リビング営計部事業計画G戦略統括チームチームリーダー小屋かをり氏の皆様です。

 はじめに、モデレーターの嶋津氏が今回のテーマに関する概括的説明をされました。その主な内容は以下の5点です。
① 昨年4月の電力小売全面自由化に続き、ガスが本年4月から小売全面自由化されました。電気の送配電部門は2020年4月、ガスの導管部門は2022年4月に法的分離予定です。
② 昨年小売全面自由化されました新電力の件数ベースのシェアは、本年7月現在6.5%です。販売電力量ベースでは、本年6月現在総需要に占めるシェアは約11.4%、業務用中心の特高・高圧需要に占めるシェアは約13.8%、低圧需要に占めるシェアは約5.8%となっています。
③ 小売電気事業者の事業展開地域は、全国展開型、都市圏中心型、地域限定型の3類型に分かれています。新電力の電気料金は、従来の規制料金に比較して約5%安くなっています。
④ 今後の課題として、「電力コストは上がらない」と言われていますが、FITのコストが著増しており、資源エネルギー庁でも2030年度のFIT買取費用は3.7~4.0兆円になると見込んでおります。
⑤ また、我が国のガス市場は、天然ガスを中心とした都市ガス事業と石油系のLP事業がそれぞれ国内の半数の需要家に島のように点在して供給しており、他地域からのガス調達は実質的に困難であります。
2017.11.21講演風景
 次に、3社の営業推進責任者から、それぞれの取組方針、自社のサービス内容の特徴や目指す姿並びに今後の事業拡大に向けた課題等についてのお話しを頂きました。
JXTGエネルギーでは、同社の中期経営計画の中で電力・ガス事業を「次世代の柱となる事業の育成・強化」の1つとして位置付けて、総合エネルギー企業としての強みを生かして事業を展開するとしております。新電力として、特高・高圧と低圧の合計販売量は全国第3位であります。天然ガス・LNGの2016年度の販売実績は、都市ガス会社の中では第5位に相当し、家庭用小売への参入を現在検討中であります。

 関西電力では、総合エネルギー事業の競争力強化を標榜し、電源競争力を強化すると共に営業戦略面でも電気とガスにグループサービスを組み合わせた総合営業の展開や首都圏を中心とした関西エリア外のマーケットへの本格参入に注力しております。ガス事業にも積極展開し10年後に現状の2倍以上(170万t)のガスの販売量を目指しています。

 東京ガスでは、本年10月に電気の申込件数100万件を突破し、2020年度までに220万件を目指しています。しかし最近ではお客様の切り替え意識の低下が顕著になっており、この壁を突破すべく、ガスと電気を纏めたメニューに顧客の暮らしやビジネスニーズに合うサービスを組み合わせて、より多くのお客様に最適なご利用を分かりやすく丁寧に提案していきます。

 各社からの要望や課題については、・卸電力取引の活性化、・連系線利用における広域的な電力流通の活性化に資するルール変更・都市ガス供給力の確保・ガス卸売市場の創設の検討・保安体制の確保・開栓時の2度手間問題の解消等が掲げられています。

井上 啓太郎 氏

井上 啓太郎 氏

明徳 毅 氏

明徳 毅 氏

小屋 かをり 氏

小屋 かをり 氏


 また質疑応答やワインを飲みながらの懇親会では、電力会社のBtoC領域への参入可能性、ガス事業新規参入の経済性の可能性、エネルギー企業の海外進出、役所のエネルギー業界の規制緩和のスタンス等に対する率直な意見交換で大いに盛り上がりました。出席者からは、「今日説明された企業は、電力・ガスと云う差別化しにくい商品を如何に顧客ニーズに寄り添えるかと一生懸命考えており、頭が下がる思いだ。」「異業種新規参入企業は、消費者の選択を促進する触媒の役割を果たしている。」「電力・ガス自由化により、電力とガス企業及び地域間(関西と関東等)2つの相互乗り入れが始まったと考える。」など様々な意見がありました。