株式会社 一柳アソシエイツ

一志会
「一志会」は、閉塞感が覆われた日本社会を活力あるものにするためには
他人任せにせずに、一人一人が「公の精神」をもって積極的に
社会との関わりを持っていくことが必要、との認識のもとに、
2010年12月に発足した限定メンバーによる新しい形の
”コミュニティー”です。ここには、一柳の生き方に賛同した
主に大企業の経営者が各分野から参加されています。

2018.02.23 更新

「一志会」第44回の例会が開催されました。

 一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する大企業経営幹部の「コミュニティー」ですが、2月21日に第44回例会を開催しました。


望月 晴文 氏

望月 晴文 氏

 今回は、東京中小企業投資育成(株)代表取締役社長の望月晴文氏ゲストにお迎えして、「経済政策の効き目―アベノミクスの光と影―」と題した卓話をいただきました。
 望月氏は、73年に京都大学(法)卒業、通商産業省(現:経済産業省)に入省され、大臣官房審議官(経済構造改革、原子力安全保安院設立準備担当)、中小企業庁長官、資源エネルギー庁長官などを経て、2018年経済産業事務次官。2010年退官後は、内閣官房参与に就任(2011年9月まで)。2013年からは東京中小企業投資育成(株)代表取締役社長に就任。2012年に日立製作所社外取締役、2014年に伊藤忠商事の社外監査役も務めておられます。
 経歴が示すように経済産業政策など国の政策に通暁するとともに、大企業から中小企業まで、企業経営にも明るく、グローバル時代の企業経営者のあり方にも一家言を持たれて、実践されています。一柳とは、経済産業省で長年、一緒に仕事をしてきた仲であり、尊敬する友人のお一人です。

 望月氏は、冒頭、個人的見解だと断られたうえで、長年にわたり経済産業政策立案・実施に係わってきたが、必ずしも講じられた政策が狙い通りの成果を挙げられなかったことも、多々、あったように思う。それはなぜか、という視点で話を進められました。戦後のわが国の経済産業政策を俯瞰したうえで、その多くが外圧対応型の経済対策で対処療法的に進められたことを要因として挙げられ、その中で、1960年代の池田内閣からの10年間で完遂した、いわゆる「所得倍増計画」が初めて、我が国が主体的に「国の未来」の姿を示し、国民に夢を与えて、高度成長を実現した、話されました。
 しかし、70年代に入るとニクソンショック、変動相場制、更には石油危機などを見舞われ、80年代には日米貿易摩擦、プラザ合意を経ての円高不況、不動産・株式への投機バブルと続き、90年代にバブル崩壊とつながり、「失われた20年」をなった。企業は苦境から脱することに全力を挙げて、「バランスシートの改善」はできたが、この過程で経営者の「成長へのモメンタム」が失われて、その状態が現在も続いている。短期政権が続いたことで、各内閣で作成された経済政策も効果が出せないうちに、新たな政策の作成、ということが繰り返されたことも背景にある。
 ようやく長期政権のもとで、いわゆるアベノミクスの第一の矢(異次元の金融政策)、第二の矢(財政政策)で「企業も高熱状態から回復」してきた現在、持続可能な成長のためには『岩盤規制改革』を積極的に進めることが必要であるが、そのためには強いリーダーシップが不可欠である。「人口減少の中で経済成長をいかに図るか」という命題は世界にも先例がないが、他方では、IoT、AI、ビックデータなどで第四次産業革命が急速に進行してきていることを認識すれば、人口減少下でも生産性の向上で課題を乗り越えることが可能だ。
 海外に目を向けると、米国(トランプ政権の政策)、欧州(BRIXIT、EU内格差拡大)などで自由貿易に対する不安の芽があるが、今や経済活動においては、≪国境なき時代であり、日本は国内中心ではなく、アジアの成長を我が物にする≫視点で、経営者は成長に向けて強い意欲で取り組むべきである、と力説されました。現場経営者の声を踏まえた質疑に対しても、丁寧に意見を披歴され、経営者の奮起への期待を語られました。

菊池 伸 氏

菊池 伸 氏

 会員の交流時間帯では、会員スピーチとして、菊池・日本政策投資銀行取締役常務執行役員から、「孫子の読み方」と題し、ライフワークとして研究を進めて今般、上梓した「孫子-成し遂げるための思考の枠組み-」をプレゼントされるとともに、「孫子」は経営者にとっても有効な思考フレームを示していることを説明されて、皆さんから強い関心が示されました。

 続いて会員からの報告として、今回、会員交代となるトヨタフリートリースの藤井代表取締役社長と後任の福井氏(4/1付社長)、セガサミーホールディングスの深澤常務取締役&CFOと後任の加藤執行役員、エコ・パワーの荻原代表取締役社長と後任の真鍋取締役の3組の方々がご挨拶されました。

藤井一彦氏と福井俊之氏

藤井一彦氏と福井俊之氏

深澤恒一氏と加藤貴治氏

深澤恒一氏と加藤貴治氏

萩原宏彦氏と真鍋修一氏

荻原宏彦氏と真鍋修一氏

 更に、椎名・KPMGコンサルティング執行役員、井戸・パナソニック執行役員、若林・阪急電鉄専務取締役、濱千代・キユーピー取締役上席執行役員、堆・宝印刷代表取締役社長、満倉・全日本空輸取締役執行役員から、それぞれホットな話題を提供していただきました。

椎名 茂 氏

椎名 茂 氏

井戸 正弘 氏

井戸 正弘 氏

若林 常夫 氏

若林 常夫 氏

濱千代 善規 氏

濱千代 善規 氏

堆 誠一郎 氏

堆 誠一郎 氏

満倉 達彦 氏

満倉 達彦 氏

会議風景

会議風景

 その後も、ゲストの望月氏を囲んでの賑やかな交流が続き、瞬く間に予定の時刻を迎えて、余韻を残しての散会となりました。