株式会社 一柳アソシエイツ

一志会
「一志会」は、閉塞感が覆われた日本社会を活力あるものにするためには
他人任せにせずに、一人一人が「公の精神」をもって積極的に
社会との関わりを持っていくことが必要、との認識のもとに、
2010年12月に発足した限定メンバーによる新しい形の
”コミュニティー”です。ここには、一柳の生き方に賛同した
主に大企業の経営者が各分野から参加されています。

2018.04.27 更新

「一志会」第45回の例会が開催されました。

 一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する大企業経営幹部の「コミュニティー」ですが、4月24日に第45回例会を開催しました。


松田 修一 氏

松田 修一 氏

 今回は、早稲田大学名誉教授の松田修一氏ゲストにお迎えして、「B to Bベンチャーとの連携 オープンイノベーション」と題した卓話をいただきました。
 松田氏は、1943年生まれ、72年に早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了。大手監査法人で中堅・ベンチャー企業のコンサルティングに従事した後、86年に早稲田大学アジア太平洋研究センター助教授、98年早稲田大学大学院(MBA)教授などを歴任して、2013年早期退職、名誉教授。現在は、早稲田大学アントレプレヌール研究会代表、日本ニュービジネス協議会連合会副会長。自らも大学発ベンチャーキャピタル「ウェルインベストメント」を設立・運営をしており、元日本ベンチャー学会会長。長年にわたりベンチャーの育成に幅広く関わっており、ベンチャーの世界では大御所的存在です。一柳とは、折に触れ、ベンチャー政策などを熱くも語り合う仲です。

 松田氏は、まず、戦後、我が国が豊かさを増す中で、経済の活力が低下していることを指摘、その壁を打ち破る一つの動きがベンチャーの出現であるとし、現在、第4次ベンチャーブームといわれる背景を説明されました。そして、企業を、経営業績(高収益か低収益か)と経営体質(攻めか守りか)のマトリックスで類型化すると、大企業の大半は、「経営業績は良いが、守りの姿勢=良い企業」に、他方、ベンチャーの多くは「経営業績は未熟だが、攻めの姿勢=弱い企業」に分類される。望ましいのは、「業績がよく、かつ攻めの体質=強い企業」になることであり、オープンイノベーションも≪攻めの姿勢≫に改革していく有力な方法と捉えると理解しやすい。
 大企業は、先鋭的な技術開発のベンチャーなどとの連携(オープンイノベーション)を積極的に図ることで、ベンチャーの成長を促すとともに、大企業自身を≪攻めの体質≫に変えていくエネルギーになる。たとえば、最近の世界の時価総額トップテン企業のうち7社がIT企業(米国5社+中国2社)で占めているが、これらの企業は、将来競合先となるとみられるベンチャーも含めて、積極的に買収し、それを大きく育てることで、高い成長を継続している。
国も、科学技術ベンチャーを支援する様々な政策を講じてきており、大企業が連携しやすくなってきている。ベンチャー側も、例えば大学発ベンチャーが年間100社水準まで増えてきている(ただし、米国の800社からすると見劣りがする)。また、最近は、特にIT分野で顕著だが、「起業」が個人の「請負」という形式のものが多く、実態が捕捉されていないため、公式の開業率は4%程度にとどまっているが、実際の起業率はかなり高くなっているはずである。
 ベンチャーとの連携、研究成果の事業化が成功するカギは、「市場視点」「顧客視点」「知財視点」が重要であり、競合企業の明確化、グローバル知財の確保が前提となることを強調されました。さらに、事業会社が研究開発型ベンチャーとの連携で、陥りやすい失敗事例、及び成功事例を紹介した上で、課題克服の要諦を示され、「第4次産業革命時代はゲームの戦い方が異なる時代であり、7倍速での事業展開を目指すべき」と、会員に向かって期待を述べられました。
 日ごろから事業の展開に腐心している会員は、松田氏の実践に裏打ちされた忌憚のない話に、ぐいぐいと引き込まれ、質疑もきわめて具体的な内容となりました。


日暮 格 氏

日暮 格 氏

 

 

 会員の交流時間帯では、会員スピーチとして、日暮・APPジャパン代表取締役社長から、「森を守り 森を育てる 製紙会社へ(APPグループ)」と題し、環境保全・地元との共生を目指して、自社植林を原料とする製紙事業一貫体制を構築した紹介がなされました。

 

 

 続いて、今回初参加の荒木由季子・日立製作所理事、松浦・三井住友銀行専務執行役員、三木・品川リフラクトリーズ常務執行役員、そして会員交代となるあいおいニッセイ同和損保の山田執行役員と後任の渡邊・取締役常務執行役員がご挨拶されました。

荒木 由季子 氏

荒木 由季子 氏

松浦 公男 氏

松浦 公男 氏

三木 平基 氏

三木 平基 氏

渡邊一功氏と山田英司氏

渡邊一功氏と山田英司氏

 更に、冨田・ソニーVP、一柳・ハウス食品グループ本社経営役、馬場・大日本住友製薬執行役員からも、それぞれホットな話題を提供していただきました。

冨田 みどり 氏

冨田 みどり 氏

一柳 和文 氏

一柳 和文 氏

馬場 博之 氏

馬場 博之 氏

松田氏卓話風景

 その後も、ゲストの松田氏を囲んでの賑やかな交流となり、熱気が続く中で予定の時刻を迎えました。