株式会社 一柳アソシエイツ

一志会
「一志会」は、閉塞感が覆われた日本社会を活力あるものにするためには
他人任せにせずに、一人一人が「公の精神」をもって積極的に
社会との関わりを持っていくことが必要、との認識のもとに、
2010年12月に発足した限定メンバーによる新しい形の
”コミュニティー”です。ここには、一柳の生き方に賛同した
主に大企業の経営者が各分野から参加されています。

2019.03.02 更新

「一志会」第50回の例会が開催されました。

 一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する大企業経営幹部の「コミュニティー」ですが、2月26日に第50回例会開催しました。


沖 大幹 氏

沖 大幹 氏

 今回は、東京大学総長特別参与(教授)で、国際高等研究所サスティナビリティ学連携研究機構教授、(国連大学上級副学長、国際連合事務次長補)の沖大幹氏から、「水リスクとESG投資/SDGs」と題した講話をいただきました。

 沖先生は、1987年東京大学工学部を卒業、同大学院を経て、東京大学生産技術研究所助教授、文部科学省大学共同利用機関総合地球環境学研究所助教授などを経て、2006年東京大学教授。2016年からは国連大学上級副学長も兼務。地球規模の水文学(地球上の水のサイクルのすべての歴史を対象とする科学)、及び世界の水資源の持続可能性の研究では、世界の第一人者です。気候変動に関わる政府間パネル(IPCC)第5次報告書統括執筆責任者などを務めるとともに、政府の審議会委員などを務めており、日本学士院学術奨励賞、日経地球環境技術賞など、多数の表彰も受けています。また、著書としては「水の未来―グローバルリスクと日本」(岩波新書2016)や「SDGsの基礎」(事業構想大学院大学出版部2018)など、多数あります。

 沖先生は、まず、≪水問題≫について、日本ではあまり強く認識されていないが、地球全体でみると気候変動にも密接に関連した大きな課題とされ、ダボス会議でも毎回、議論されているテーマであること、自然災害の被害額(世界ベース)は、洪水、ストーム、渇水など水関連災害による死者、被害額とも、およそ6割を占め、地震の被害よりも深刻であることを具体的な資料に基づき説明されました。そして、経済活動のグローバル化が進行していることから、海外の自然リスクが日本(企業)にも大きな影響をおよぼしており、決して他人事ではないことを話されました。
 地球の温暖化が進むと、洪水の頻度が高まるとともに、一方では乾燥化が進むこと、日本においても温暖化に伴い、局所的豪雨や日照りが生じやすくなってきていることを、分かり易く説明されました。
 このような環境変化を踏まえて、2015年に国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、その中に≪世界を変えるための17の目標≫が掲げられたことで、企業においても「ESG(環境・社会・ガバナンス)投資」が意識されるようになった。ただ、気になるのは、企業では、SDGsの17の目標が≪与えられた目標≫というようにネガティブに捉えられている向きがあることである。大事なことは、企業も、地球の一員として、それぞれの立場から、企業活動を通じて地球規模の課題の解決に貢献することを目指すべきで、これにより、企業イメージ・ブランド力が高まり、成長につながることが理想である。
 したがって、17項目を総花的に捉えて取り組むのではなく、自社ではどの項目で貢献できるか、という視点から、メリハリをつけた取り組みをする方が、SDGsの趣旨に合致する。また、わが国では、受け身で捉えがちであるが、例えば、このような国際的なルール・基準などを策定する場合は、早い段階から積極的に参画し、日本の智慧を出すとともに、自国に不利にならない内容とするとか、都合がよりよくなるという取り組みが必要である、と話されました。
 質疑でも、SDGsの基準の捉え方などについて丁寧に説明されましたが、ソフトな語り口ながら、日本の役割、企業の貢献期待に対するほとばしる熱意が伝わってきて、聴講した会員は感銘を受けていました。

 会員スピーチでは、加藤・セガサミーホールディングス執行役員から「セガサミーグループの取り組みについて」と題したスピーチでしたが、≪モバイルゲームのビジネスモデル≫や≪働き方改革(副業制度の導入)≫など、興味深い説明がありました。

 今回、初参加した坂本・SMBC日興証券執行役員、宮階・日本ハム常務執行役員から自己紹介が、そして異動に伴い会員交代となる川村・日本ハム代表取締役の退会挨拶があり、続いて、栁瀬・駐車場総合研究所取締役副会長、山田・サンフロンティア不動産常務取締役、池口・ミスミ取締役副社長、生田・ミクニ社長、島・島精機製作所社長、田中・JFEホールディングス常務執行役員から、ホットな話題が提供されました。
 その後も、ゲストの沖先生を囲む輪が続き、にぎやかに談笑が続く中で予定の時刻を迎えました。

講義風景

講義風景

加藤 貴治 氏

加藤 貴治 氏

坂本 英樹 氏

坂本 英樹 氏

川村 浩二 氏

川村 浩二 氏

宮階 定憲 氏

宮階 定憲 氏

栁瀬 聰 氏

栁瀬 聰 氏

山田 康志 氏

山田 康志 氏

池口 徳也 氏

池口 徳也 氏

生田 久貴 氏

生田 久貴 氏

島 三博 氏

島 三博 氏

田中 利弘 氏

田中 利弘 氏