株式会社 一柳アソシエイツ

一志会
「一志会」は、閉塞感が覆われた日本社会を活力あるものにするためには
他人任せにせずに、一人一人が「公の精神」をもって積極的に
社会との関わりを持っていくことが必要、との認識のもとに、
2010年12月に発足した限定メンバーによる新しい形の
”コミュニティー”です。ここには、一柳の生き方に賛同した
主に大企業の経営者が各分野から参加されています。

2019.04.26 更新

「一志会」第51回の例会が開催されました。

 一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する大企業経営幹部の「コミュニティー」ですが、4月22日に第51回例会を開催しました。


江崎 禎英 氏

江崎 禎英 氏

 今回は、経済産業省商務・サービスグループ政策統括調整官で、内閣官房健康・医療戦略室次長、及び厚生労働省医政局統括調整官を兼務する江崎禎英氏をお迎えし、「生涯現役社会の構築―社会保障制度改革の視点―」と題した講話をいただきました。

 江崎氏は、1989年東京大学教養学部を卒業して、通商産業省(現経済産業省)入省、通商問題を担当後に大蔵省に出向、金融制度改革を担当、95年英サセックス大学大学院に留学後、EU(欧州委員会)に勤務。帰国後、IT政策を担当、内閣官房で個人情報保護法の立案に携わりました。その後、資源エネルギー庁エネルギー政策企画室長、岐阜県商工労働部長を経て、経済産業省生物化学産業課長として再生医療をめぐる法制度改革に携わった後、2015年に商務情報政策局ヘルスケア産業課長、17年から現職(兼内閣官房健康・医療戦略室次長)に就任、さらに18年からは厚生労働省医政局統括調整官も兼務し、異例の3省(房)兼務となって、日本の社会保障制度全般にわたる政策に取り組んでおられます。
 18年6月に刊行した著書「社会は変えられる 世界があこがれる日本」(国書刊行会)が、≪現役官僚が示す超高齢社会の「処方箋」≫として、大きな反響を呼んでいます。また、一柳がキャスターを務めるテレビ番組にも、ご出演いただきました。

 江崎氏は、まず、日本が超高齢社会(65歳以上の人口比率26%、国際基準は21%以上)を迎えていることで、日本の将来に対し暗いイメージが強いが、発想の転換が必要であることを強調されました。経済の発展と医療技術の発達などにより寿命が延びていることは望ましいことであり、もともと人間は動物学的には120年の可能性がある。高齢化といっても無限に増えるわけではなく、日本の高齢者総数は2040年ごろからは横ばいとなること、2060年には「超超(・・)超(・)高齢社会(35%以上)」の38%になると予想されているが、これは若年層の減少によるものであることを、わかりやすい資料で説明されました。
 誰もが健康で長生きすることを望み、それが可能となれば、社会は必然的に高齢化することであり、与えられた時間をいかに楽しく、健康に生きるか、人生100年時代といわれる中、二周目の人生における「幸せの形」を見つけることこそが必要である。現在でも、80歳近くまでは、男女とも大半の高齢者が身体的に健康な状態を維持していることを踏まえて、「健康長寿社会」、すなわち①自立した生活の確立(存在意義を感じられる)、②社会的役割と自由が確保される社会、③医療・介護はあくまでも自立をサポートする仕組み、を目指すべきとされ、医療・介護システムもそのために即したものに見直していく必要があると、指摘されました。
 日本の「国民皆保険制度」は、世界に誇るべき制度であるが、そもそも、制度設計当時は栄養不足、不衛生、暴力(戦争)などによる感染症やケガを前提にしていたが、経済の発展、医療技術の発達により栄養状態、衛生状態の改善や、感染症の効果的治療薬開発で大きく改善している。一方、現在では、食べ過ぎ(偏食)、運動不足、ストレス等による生活習慣病や老化による医療が急速に膨らんできていて、社会保障財政負担増を招いている。これからの医療は、従来の「感染症型」から「生活習慣・老化型」へのアプローチ(生活管理による予防と進行抑制)に、また介護では、「老人は弱いもの、支えられるべきもの」から「最期まで自立した生活を目指す」ものに見直し、高齢者が年金制度をベースとしつつ経済活動への緩やかな参加を維持することで、自立型の経済プレーヤーとなることが、豊かな人生につながるとされ、そのような生涯現役社会の実現を目指したい、と締めくられました。

 随所に現場の事例や海外事例などを織り交ぜながらの淀みのない説明には、これまで国全体の政策として仕上げていくための奮闘ぶりが伝わってくる情熱的なお話で、聴講した会員からは、「高齢化の本質が理解できた」「まさに目から鱗が落ちた感じ」「自分の生活を見直す良い機会となった」などと、絶賛を博しました。


 会員スピーチでは、佐渡・KPMGコンサルティング執行役員から「KPMGコンサルティングの特徴とIgnition Tokyo」と題して、デジタル社会での企業改革支援の新しい取組みについて説明がありました。

 今回、初参加した佐藤・駐車場綜合研究所代表取締役社長、土本・平和不動産取締役専務執行役員から自己紹介が、そして異動に伴い会員交代となる栁瀬・駐車場綜合研究所特別顧問の退会挨拶があり、続いて、今春の人事異動で昇格した渡邊・あいおいニッセイ同和損保専務執行役員、清明・マネックス証券社長、太田・岩谷産業取締役専務執行役員、浦川・パロマ取締役専務執行役員、西本・住友化学代表取締役副社長、田中・JFEホールディングス専務執行役員から、それぞれ抱負を披歴いただきました。
 その後も、ゲストの江崎氏を囲む輪が続き、さらに見解を伺うなど、にぎやかに談笑が続く中で予定の時刻を迎えました。

佐渡 誠 氏

佐渡 誠 氏

佐藤 正典 氏

佐藤 正典 氏

土本 清幸 氏

土本 清幸 氏

栁瀬 聰 氏

栁瀬 聰 氏


渡邊 一功 氏

渡邊 一功 氏

清明 祐子 氏

清明 祐子 氏

太田 晃 氏

太田 晃 氏

浦川 拓也 氏

浦川 拓也 氏

西本 麗 氏

西本 麗 氏

田中 利弘 氏

田中 利弘 氏

講話風景

講話風景