株式会社 一柳アソシエイツ

特別講座

2018.03.09 更新

第95回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。

2018年3月7日 第95回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。

田中 伸男 氏

田中 伸男 氏

 今回の特別講座は、笹川平和財団会長で元国際エネルギー機関(IAE)事務局長の田中伸男氏をお招きし、「エネルギーの将来を考える」と題してご講演をいただきました。
 田中氏は、一柳の経済産業省の後輩に当たりますが、海外生活が20年を超える国際人で、世界のエネルギー問題に関する権威的存在である国際エネルギー機関(IEA)事務局長を2007年から2011年まで務められ、各国首脳との協議などを主導し、世界のエネルギー問題についての情勢分析・調整に当たられました。退任後も、世界のキーマンとの交流を続けておられ、エネルギー全般について高い次元から研究しており、エネルギー情勢についてのわが国の第一人者です。

 田中氏は、70ページに及ぶ資料を手際よく利用して、世界のエネルギー事情が大きく変動していることを、分かり易く説明されました。
 IEAがOPECに対抗するエネルギー安全保障機関として1974年に設立されて以降の石油を中心とする世界のエネルギー情勢の推移を俯瞰したうえで、現在は、≪エネルギー世界の大転換≫に突入していることを強調されました。具体的には、①米国のシェール革命、②ソーラー革命、③中国のクリーン革命、④電力化革命、の4大変化が大転換をもたらしているとして、価格が手ごろで持続可能なエネルギーに向けた明るい展望が拓かれる一方で、エネルギー安全保障に対するアプローチの再評価が必要である、との認識を示されました。
 「中東がエネルギーの大消費国になり、米国が大輸出国になる」、「中国が世界のエネルギー市場を動かす」、「太陽光発電が世界の電力ミックスを決める」、「太陽光発電と電気自動車用蓄電池のコストは大幅に低下」、「未来は電気が主役」など大きな流れを解説するとともに、世界三大石油産油国(米・露・サウジアラビア)の攻防、中東の政治不安、地政学的リスクなどが高まっていることに注意が必要である、とされました。
 そのうえで、エネルギーの大半を海外に依存する日本は、どのように備えるべきか、原発についてどう考えるべきか、東電の原発の”大政奉還”などについて、大局的な視点から戦略的な見解を示されました。
 質疑での、原子力や水素社会についての突っ込んだ質問にも、率直かつ丁寧に答えられるとともに、「社内でのカーボンプライシングを設けて経営すべき」などとアドバイスをされました。
 聴講者からは、「最新のエネルギー問題の本質が理解できた」「これから、どういうことに留意して経営すべきか、有益なヒントを得た」などと、大変好評を博しました。
2018.03.07講義風景