株式会社 一柳アソシエイツ

特別講座

2018.09.28 更新

第98回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました

小長 啓一 氏

小長 啓一 氏

 今回の特別講座は、一般財団法人産業人材研修センター理事長、元旧通商産業事務次官の小長啓一氏をお迎えし、『リーダーの力と生きざま ―田中角榮生誕100周年に想う― 』と題して、ご講演を頂きました。
 小長氏は、高度経済成長が終わりを迎える1970年代前半に、当時の日本をけん引した異能の政治家・田中角榮氏に、通産大臣秘書官(1971年)、続いて総理大臣秘書官(1972年)としてあわせて3年半にわたり仕えられました。通産大臣秘書官時代は大臣の意向を踏まえて『日本列島改造論』の取り纏め・執筆に当たったのをはじめとし、困難極めた日米繊維交渉の妥結、総理大臣秘書官時代は中国との国交回復、更には第一次石油危機対応などで辣腕をふるった政治家・田中角榮氏の傍にあって薫陶を受けられました。小長大臣秘書官の部下が一柳であり、小長氏は一柳が尊敬する先輩であります。

 小長氏は、まず最近の「田中角榮」ブームの背景として、角榮氏の≪日本列島のどこに住んでいても一定以上の生活ができる≫
≪全国一日生活圏、一日交通圏の整備≫という「一億総中流」の考え方が、近年の格差拡大の状況の中で、改めて見直されてきているのではないか、と指摘されました。
 田中氏は、そのためには「日本列島を改造しなければならない」との信念のもとに政治家となり、若くして議員立法で道路特定財源制度を創設するのを手始めに、様々な政策に果敢に取り組まれました。その根底には、母親からの「いい気になるな、でけえことをいうな」との一言、そして下積みの様々なアルバイトの積み重ねの中で世間を知るという経験が、≪下から目線≫でモノを見るという人間力を身に着け、≪庶民宰相≫として人々に受け入れられたと話されました。
 政治家になってからも独学で深夜まで勉強をするという大変な努力家で、まさに≪努力なくして天才なし≫を地で歩んだ人物であり、徹底した現場主義で、人を見て法を説くという人心掌握にたけて、誰もが認める構想力、交渉力、実行力で、困難を極めた日米繊維交渉、日中国交回復、第一次石油危機、資源外交などで、数々の実績をあげられたことを、身近に仕えた小長氏ならではの様々なエピソードを交えて話され、国のリーダーとして高く評価されました。

 講演後の質疑でも、一つ一つの質問に丁寧に答える中で、人間・田中角榮をさらに浮き彫りにされて、聴講者からは、「田中角榮という政治家の実像を知ることができた」「人間としての魅力を高めるヒントをいただいた」「経営を担ううえでも大変刺激を受けた」などと言葉をいただきました。
 田中角榮氏への深い想いを込めてお話された講師のお人柄にも魅了され、大勢の方にご参加いただき大変好評な特別講座となりました。
2018.09.25.講演風景