株式会社 一柳アソシエイツ

特別講座

2018.11.26 更新

第99回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました

2018年11月20日 第99回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。
 

三屋 裕子 氏

三屋 裕子 氏

 今回の特別講座は、スポーツプロデューサーで、公益財団法人日本バスケットボール協会会長などを務める三屋裕子氏をお迎えし、『グローバル化のもとでのスポーツマネジメントと経営マネジメント』と題して、ご講演を頂きました。
 三屋氏は、中学時代からバレーボールに本格的に取り組み、1984年のロサンゼルスオリンピックで銅メダル獲得の主力選手として貢献、その後、母校の筑波大学大学院でスポーツ科学を研究し、バレーボールを超えてスポーツプロデューサーとして幅広く活躍されています。この間、上場企業の社長を務めるなど、企業経営、組織運営などに従事、現在は、日本バスケットボール協会会長、国際バスケットボール連盟理事などスポーツ関係団体での重責を担うとともに、複数の大企業の社外役員を務めており、国際感覚にあふれたスポーツ・企業経営の両面を知る素敵な指導者です。一柳とは、折に触れ、お酒を飲みながら健康・スポーツ・教育・経営など、社会の課題を議論する仲です。

 三屋氏は、まず、日本バスケットボール協会との関わりから話を進めました。
 大改革を迫られた協会を引き受けるに際し、≪自分がやらなければいけないのか≫という視点で捉え、最後は≪やってみなければわからない≫という前向きな考えで決断し、ガバナンスの効いた組織運営を目指してきた。世界に通じる強い選手を育てることも、≪ないものねだりをしている限り、道は拓けない≫、≪視点を変えることが必要≫、≪スポーツは海外で勝たなければ、人気が出ない≫との信念で、海外から人材を受け入れて国内選手に刺激を与え、漸く育ちつつあるとの手ごたえを感じている。上場企業の社長を頼まれた時も、同様な前向きの考えで、引き受けて業績を回復させた。
 このように考えるようになったのは、バレーボールでの厳しい練習を通じて、知らず知らずのうちに「レジリエンス(Resilience)」が鍛えられたからだと思う。
 アスリートとして大成するためには、レジリエンス(回復力、折れない心)が必要であるが、これはあらゆる分野においても人材育成の要である。レジリエンスの能力は、①自己認識=自分の強み・弱み、価値観・目標を認識すること、②自制心=感情的にならず、適切に制御すること、③精神的迅速性=物事を多面的にとらえ、大局的に対処すること、④楽観性=ストレスと受け止めず、挑戦と捉えること、⑤自己効力感=やればできるという自信を持つこと、⑥つながり=苦しい時の仲間を持つこと、で鍛えられる。指導者は、感情的にならず、失敗が成功のスタートとなるように、言葉をかけることが大切である。経験から学ぶことが何よりも大事であり、リーダーの役割は、≪失敗から何を学ばさせるか≫である。
 レジリエンスは、ティーチング段階を経てコーチングを行うことで高めていくことができ、それが実現できれば自立した活力ある組織になる。また、そのような人材・組織は、リスク管理でも適切な対応を可能とする、ということを、ご自身の様々な経験を交えながら語られました。
 講演後の質疑では、若手社員の指導教育方法や外国籍選手についての
質問がありましたが、率直なご説明をされて、聴講者からは、「組織を改革していくヒントが得られた」、「人材育成の可能性を再認識できた」、「ポジテイブ発想の基本が理解できた」などとの声をいただきました。
 講師のさわやかなお人柄にも魅了され、大変好評な特別講座となりました。
2018.11.20講義風景