株式会社 一柳アソシエイツ

特別講座

2019.03.29 更新

第101回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました

2019年3月27日 第101回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。

大塚 宣夫 先生

大塚 宣夫 先生

 今回の特別講座は、医療法人社団慶成会(青梅慶友病院、よみうりランド慶友病院)会長の大塚宣夫先生を講師にお迎えし、『超高齢社会を考える―豊かな老後は自分でつくる―』と題して、ご講演を頂きました。
 大塚先生は、1966年に慶応大学医学部を卒業後、フランスにも留学されるなど精神科医として研鑽を積まれましたが、わが国の高齢化が言われ始めた1970年後半に高齢者の医療介護の貧しい現場に触れて、「せめて自分の親が安心して暮らせる施設が欲しい」との思いになられ、1980年に当時としては画期的な老人医療のための青梅慶友病院を開設されました。それ以降は、質の高い老人医療を目指した病院経営に積極的に取り組まれておられる、この分野の先駆者です。

 大塚先生は、まず、青梅慶友病院開設に至った経緯と現在の病院グループの概要・特徴を説明され、≪究極の終の棲家≫を目指して、腐心されている様子を語られました。①この世で一番心地のよい場所にする、②苦しい長生きより豊かな一日を、③大往生の実現(静かで穏やかな最期)、という視点から、㋐生活、介護、リハビリ、医療の一体的提供、㋑一括お引き受け、㋒手厚い人員配置、に心がけている様子を映像なども交えて話されました。
 次に、本題の≪豊かな老後は自分でつくる≫というテーマで、(超)高齢者の増加、家族内介護力の低下(介護はプロの技)、介護の担い手の減少、社会保障制度の行方について説明されたうえで、加齢による心身の変化(70歳半ばが転換点、臓器の耐用年数は70年)を踏まえて、高齢者にとっての医療の限界などに触れました。そのうえで、老後を前期(65-75歳)、中期(75-85歳)、後期(85歳~)と分けて、前期は仕事の継続、健康づくりに、中期は休まず、無理せず、義理を欠く、下り坂の生き方を、そして後期はバタバタせず、医者の意見はほどほどに(薬の副作用が大きい)、今日が最後という気持ちで臨むことが大切と、ユーモアを交えながら話されました。
 動物の晩年(親を看る動物はいない)や西欧の考え方(自分で飲み込めなくなると、それ以上の治療はしない)などの例を引きながら、プラス思考、自立の気概、自分の能力を最大限活かし続けること、そして必要な老後の資金は残すことではなく、生きた使い方をすること、及び介護を必要となった時の最期の場を見定めておくことが肝要と、締めくられました。

 講演後の質疑では、尊厳死・安楽死の考えや、施設に入居させるタイミング、高齢者医療に対する欧州のコンセンサスなどについて質問がありましたが、率直かつ丁寧な説明をされて、聴講者からは、「老後に対する考え方が変わった」、「気力が高まった」、「高齢の親の気持ちが理解できたように思う」、「自分の人生設計にとても参考になった」などとの声をいただき、大変好評な特別講座となりました。
2019.03.27講演風景