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一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第127回勉強会を開催しました

2020.09.01 更新

梅原徹也 氏

2020年8月28日 当社社長一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第127回勉強会を開催しました。今回は経済産業省 産業技術環境局 研究開発課 エネルギー・環境イノベーション戦略室長 梅原徹也様に登壇頂き、「エネルギー関連の新技術開発の現状」とのテーマでお話し頂きました。

 まず、本年1月に策定された「革新的環境イノベーション戦略(以下「本戦略」という)」についてお話し頂きました。
 本戦略では、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(令和元年6月閣議決定)において、我が国は最終到達点として「脱炭素社会」を掲げ、それを野心的に今世紀後半のできるだけ 早期に実現することを目指し、先ず、2050年までに80%のGHG(温室効果ガス)の排出削減の実現に向けて、全体5分野について、重要かつ共通的な16の技術課題に分類し、GHG削 減量が大きく、日本の技術力による大きな貢献が可能な39テーマを設定しています。  
 具体的には、エネルギー転換【I】、運輸【II】、産業【III】、業務・家 庭・その他・横断領域【IV】、農林水産業・吸収源【V】の5分野について、16の技術課題に分類し、39テー マそれぞれについて、①イノベーションの目標となる具体的コスト、社会的インパクトを明確にするための世界でのGHG削減量、②技術開発内容、③実施体制、④要素技術開発から実用化・実証開発までの具体的なシナリオとアクションを示しています。

 次に、目標とするGHG削減量の過半を占めるエネルギー転換部門で、太陽光発電、地熱発電、浮体式洋上風力発電、蓄電池、水素等の技術開発について詳しい説明がありました。
・曲面追随化等の設置場所の制約を克服する柔軟・軽量・高効率な太陽光発電の実現
・地下約5kmの深部からの超高温・高圧水による高効率発電(超臨界地熱発電)の実現
・厳しい自然条件に適応可能な浮体式洋上風車技術を確立し、既存電源と同等コスト水準以下での導入を可能とする
・再生可能エネルギーの主力電源化に資する低コストな全固体電池等次世代蓄電池の開発
・製造、輸送貯蔵、利用発電の全ての段階での低コストな水素サプライチェーンの構築

  質疑応答では、「課題としての39分野において日本が特に貢献可能なテーマ」、「日本が世界標準をリードするアプローチ」、「デジタルネットワークにおけるサイバー対策等の安全保障の重要性」、などについての率直な意見交換で大いに盛り上がりました。
 今回の出席者からは、「牛のげっぷを含め、温室効果ガス削減の全てのメニューを俯瞰することが出来大いに参考になった。子供や孫の為に自分事として出来ることに取組んで参りたい。」或いは「官民協力し、日本がリードする得意技術分野で、1つでも我が国発の世界標準を実現して欲しい。」などの声が有りました。

勉強会風景

【講師ご略歴】

■梅原 徹也(うめはら てつや)様
経済産業省 産業技術環境局 研究開発課エネルギー・環境イノベーション戦略室長 


平成6年   通商産業省入省 
平成27年 経済産業省産業技術環境局知的基盤整備推進室長 
平成29年 新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究 センター統括主幹 
令和元年  経済産業省産業技術環境局研究開発課エネルギー・環境 イノベーション戦略室長(現職)

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