一志会 2010年10月に発足した限定メンバーによる
新しい形のコミュニティ
「一志会」第88回の例会(講師:大田 佳宏氏 Arithmer株式会社 代表取締役社長兼CEO)が開催されました。
2025.08.28 更新
第88 回一志会例会 レポート 2025年8 月26 日

一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する企業経営幹部の「コミュニティー」です。8月26日(火)に、第88回例会を開催しました。
今回は大田佳宏氏(Arithmer ㈱代表取締役社長兼CEO)から、「最新AIエージェントの産業応用事例」と題したご講話をいただきました。

まずChat GPTなどのAIは、1兆個の変数の関数であり、自動運転AIは画像を変数とし、毎秒高速で関数を繰返すことで人が運転しているようにしている。ただ1兆個の関数を学習させるためには600億円のコストと電気が必要となる。3桁少ない変数で必要なAIを作ることができれば、それが強みとなることを話されました。
またAIエージェントは、人を超えたスーパーヒューマンとして、視力14.5の目やAIドクターの頭脳を持ち、神の手を持つ医者の動きを学習した手を備えることも出来ること。一個作れば、いくらでも複製でき、24時間稼働することが出来るとのお話をいただきました。
次にAIエージェントが実際に製造現場でAI同士が会話し協働している動画や、仮想空間で生存競争をさせ残ったロボの頭脳を備えた四足歩行ロボの想像をはるかに超えた高度な運動性能を示す動画が投影され、AIの進歩をリアルに感じることとなりました。
最後に急速な進歩を示すヒューマノイドが、既に自動車メーカーの工場に導入され、ビジネス利用が始まっており、来年にも年100万台のヒューマノイドが200万円で販売される計画もあり、これらが目と5本指を管理するAIを備えることができれば、ヒューマノイドがいずれスマホのように使われる世界が来る可能性もご紹介されました。

続いて行われた質疑応答では、危機的な状況にある病院経営において投資効果が期待できるAIの可能性として、診断や処方さらには新薬開発など様々な示唆が示されました。また自動運転の開発においても世界から2周遅れているといわれる原因と今後の可能性、またAI整備士の可能性についてもお考えを示されました。

この後、テーブルでの歓談タイムの後、新会員の坪井純子キリンホールディングス㈱取締役副社長からご挨拶をいただきました。 また今回は古川英一TOKYO企業情報㈱代表取締役より「M&Aの落とし穴~失敗に学ぶ」について、会員卓話をいただきました。
続いて、佐渡島・セーフィー代表取締役、富加見・MCD3カンパニー長付、石井 仁・国際自動車代表取締役社長、大槻・FinT代表取締役Founder、奥田・阪急電鉄常務取締役、近藤・あずさ監査法人執行統括から近況報告をいただきました。


講演後の歓談交流時には、それぞれの円卓において、本日の講演で学び実感した、「急速に進歩し身近な存在になってきたAIが、今後ますます社会を変えていくのか?」「改めて人間の役割はどうなるのか?」「AIとの付き合い方をどうすればよいのか?」などについて活発な議論が行われていました。また想像を変えたAIの進歩を実感する事ができ、参加して良かったとの声も聞かれました。

また会員近況報告後は会場の至る所で会員間の談の輪ができ、ビジネスの話や経営課題について語り合うなど、にぎやかに談笑が続く中、次回例会での再会を約して、閉会となりました。
P.S. 一柳のBSテレ東のテレビ番組で、9月6日(土)に「AIと哲学」が放映される予定ですが、今回のテーマと関連していて、とても参考になる旨紹介されました。
*大田氏経歴
1997年 東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻 修士課程修了
1997年 ~ 1999年 IBM東京基礎研究所 研究員
1999年 ~ 2006年 日立製作所中央研究所 研究員
2006年 ~ 2011年 東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員
2011年 博士号取得 (数理科学)(東京大学)
2011年 ~ 2013年 東京大学先端科学技術研究センター 特任助教
2013年 ~ 2015年 東京大学大学院数理科学研究科 特任准教授
2015年 ~ 2023年 東京大学大学院数理科学研究科 特任教授
2016年 ~ 現在 Arithmer株式会社 代表取締役社長兼CEO
2016年 ~ 現在 総務省 AIネットワーク社会推進会議 構成員
2021年 ~ 2022年 国立大学法人徳島大学 学長特別顧問
2022年 ~ 2024年 第64回国際数学オリンピック組織委員会 副委員長
2022年 ~ 現在 一般社団法人日本応用数理学会 代表会員
2022年 ~ 現在 東京大学アイソトープ総合センター 客員教授
2023年 ~ 現在 東京大学大学院数理科学研究科 客員教授
2025年 ~ 現在 ICM(国際数学者会議)招致委員会 委員