一志会 2010年10月に発足した限定メンバーによる
新しい形のコミュニティ

「一志会」第89回の例会(講師:渡辺 紀子氏 ハイドリック&ストラグルズジャパン合同会社 パートナー )が開催されました。

2025.10.27 更新

第89 回一志会例会 レポート    2025年10 月23 日

 【一柳代表】

一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する企業経営幹部の「コミュニティー」です。10月23日(木)に、第89回例会を開催しました。
今回は渡辺紀子氏(ハイドリック&ストラグルズジャパン合同会社パートナー)から、「ヘッドハンターから見たエグゼクティブ人材市場の最前線」と題したご講話をいただきました。

ヘッドハンティングはハイレベル人材を対象に、必ずしも転職を考えていない方にも声をかけ、1~2年かけて進めることもある。オーナー企業の経営者からありがちな、あいまいなスペックの要望の時こそ腕の見せ所とのことでした。また候補者の長年の伴走者として交流を続け、信頼関係を築いたうえでマッチングを行っており、直接ビジネスと関係のないことでも自分を思い出し相談してくれた時に、やりがいを感じるとのことでした。

 【講師 渡辺氏】

ヘッドハンターは人探しが大事だが、公表された人事異動をずっと見ていると、人の動きが良くわかるとのことです。またTVを観て気になる人にコンタクトもするし、最近は売り込みもあるとのことでした。現在2,000人の名前が頭にあり、要望を受けた時に、想起できることが強みとのことでした。

次にヘッドハンティングの最近の変化として、ヘッドハンターを使う企業は、優秀な人材を使いこなせる企業という認識に変わってきていることや、報酬が従来の1.5倍程度になってきたこと、女性の登用が増えシニアの需要も高まってきたとのお話をいただきました。また最近のトレンドとしてアセスメントの要望も増えてきていることを話されました。
またどのように人を見極めているのかというお話では、先が見えない中で意思決定できる人が必要であり、そのためキャリアやスキルよりもパーソナリティを重視しており、面談でいかに引き出すかを意識しているとのことでした。

 【質疑応答の様子】

また経営者が候補者をどれほど気に入っても、うまくいかないと考えれば、違う候補者を紹介するという、プロとしての矜持も示されました。
続いた質疑応答では、人を見るポイントや、候補者を口説くタイミングや口説く時のポイント、さらに大事な場面で逃げない人を見極めるポイントについて質問があり、貴重な示唆を示されました。またこれまでヘッドハンターに会いたいと思ったことはなかったが、興味を持ったとの感想も寄せられました。

 【卓話 堀内氏】

 この後、テーブルでの歓談タイムを経て、堀内信介イーサポートリンク㈱代表取締役会長兼CEOより「農産物流通のIT化~変わる食と農~」について、会員卓話をいただきました。

続いて、鈴木・鈴茂器工代表取締役会長から寿司ロボットのカプセルトイのご案内とご提供をいただきました。また生田・ミクニ代表取締役社長と福井・トヨタモビリティサービス取締役専務執行役員からは、出展されるジャパンモビリティショーのご案内と入場券のご提供をいただきました。

【鈴木氏】     【生田氏】      【福井氏】

  次に会員近況報告では、中間・ラック常務執行役員、眞鍋・コスモエコパワー取締役専務執行役員、重政・JFEスチール常務執行役員、藤田・品川リフラ執行役員、槇山・関西電力執行役常務、三村・キッコーマン常務執行役員、川崎・ハウス食品代表取締役社長、島・島精機代表取締役社長、早川・東京ガスコミュニケーションズ代表取締役社長からお話をいただきました。

   【中間氏】     【眞鍋氏】    【重政氏】    【藤田氏】    【槇山氏】

 【三村氏】    【川崎氏】    【島氏】    【早川氏】

 会員近況報告後は会場の至る所で会員間歓談の輪ができ、ビジネスの話や経営課題について語り合うなど、にぎやかに談笑が続く中、次回例会での再会を約して、閉会となりました。

                                【歓談の様子】

 終了後に会員の皆様から多くの感想が寄せられました。
「選定に際して最も重視している点はパーソナリティ。先が見えない中で決断できる人。学歴などではなく、重視すべきポイントを示唆いただいた。また口説くポイントも大変参考になった。」「ヘッドハンティングという実態が理解できたこと。渡辺さんの寄り添う考え方でヘッドハンティングされているということが新鮮だった。」「これはと思う人材をしぶとくフォローされている点が非常に印象的でした。」「クライアントが気に入っても、渡辺先生ご自身が違うと判断した場合は、何が何でも引き離すというフレーズに、先生の取り組み方の熱量と使命感を感じました。」「求められる人材の資質や能力に関するお話の中で、『いざという時に逃げないこと』を繰り返し言葉にされていたのが印象的でした。」

*渡辺氏経歴
1970年 埼玉県生まれ
1993年 東京大学 文学部中国文学科 卒業後 豊田通商 入社
2006年 女性初の駐在員として北京に5年間派遣 
中国企業との合弁会社を2社立ち上げ経営に関与 
2011年 縄文アソシエイツ 入社 ヘッドハンティング業務に従事
2014年 AMROP社 アジアトップコンサルタント 受賞 
2015年 ハイドリック&ストラグルズ ジャパン パートナー 日本企業の総責任者に就任(現職)

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