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新しい形のコミュニティ
「一志会」第94回の例会(講師:KPMGコンサルティング株式会社 プリンシパル 室住 淳一 氏)が開催されました
2026.08.26 更新
第94 回一志会例会 レポート 2026年8月25 日

一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する企業経営幹部の「コミュニティー」です。8月25日(火)に、第94回例会を開催しました。
今回は室住淳一氏(KPMGコンサルティング㈱プリンシパル)から、「DXの次に来るもの:AIX(AIトランスフォーメーション)により経営構造はどう変わり、競争優位をどうもっていくのか」と題したご講話をいただきました。

室住氏は、AIに関する最近のサーベイの結果から、AI先進企業においては定性的成果が出始めたが、ROIなど定量的成果はこれからというAIトレンドやその影響を説明されました。AIが人間の認知制約を超える中、AXが単なるIT革命ではなく、知的労働革命となり、その結果人間の認知制約を前提とした伝統的組織がAIの圧倒的な速度を閉じ込めてしまうリスクを説かれました。そこで企業経営におけるAI化の重要論点として、AIが知的中間処理を担う人とAIとの協働を前提とした、次世代オペレーティングモデルの再設計の必要性を説かれました。認知限界の極小化により実現できる組織のフラット化と処理の超高速化を実現することができることを示されました。さらにAX時代の競争優位性を確保するためには、進化し続けるAIと向き合い、暗黙知など競争優位の源泉をいかに活かしていくのか、自社しか持たない「文脈」を培ったAIを量産し、実行できるかが勝負を決めることを説かれ、AI時代の経営変革の方向性を提言されました。最後に経営者がAXをどう意思決定するかに焦点を当て、次世代リーダーの在り方として、単にAIを導入するというのではなく、終わりのないPoCに終止符を打ち、全社改革へ踏み出すため、AI前提の経営オペレーションモデルへの経営構造を移行することを経営者は決断すべき事を説かれました。


続いての質疑では、「業務プロセスや組織を変えるのであれば、そこで培われていた匠の技の維持に意味があるのか?」、「AXでイノベーションは生まれるのか?」、「AXは径路依存や利益相反を生まないのか?」、「ミドルの育成の必要性?」などの質問がされました。またその後の歓談でも、各テーブルで活発な意見交換が行われ、会員各位のAIへの関心の高さが感じられるとともに、会員からはテーブルメンバーとのコミュニケーションが活発で、交流の幅がさらに拡がったとの声もいただきました。
会員の皆様から多くの感想が寄せられました。
「暗黙知をAIが解決できる世界が来た時に、人間の本質か何かが気になった」、「AIと共存する未来像の話が印象に残った。」、「暗黙知をAIにどのように読み込ませるのか、AI主体の業務フローに見直して行く上でどのような考え方でそれを行うのかついてもう少し知りたくなった。」、
「AIは単なる効率化のツールではなく、AIの存在を軸に、組織の形そのものを変革してこそ価値が最大化されるといった論点が大変印象深かったです。」、「AI活用のPoCを繰り返すステージから、ROI向上への貢献に企業としての主眼を具体的にシフトさせなければならない段階に来ていることを改めて認識できました。」

この後テーブルでの歓談タイムを経て、初参加者であるアスクル㈱成松岳志代表取締役CEOのご紹介、
続いて㈱日本政策投資銀行原田文代取締役常務執行役員より「地政学・GX・AIが変えるエネルギーの未来と日本」と題した会員卓話をいただきました。

会員近況報告では、西本麗広栄化学特別顧問、古川英一TOKYO企業情報代表取締役、松浦公男ハーフ・センチュリー・モア代表取締役社長COO、浦川拓也パロマ取締役副社長、奥誠司セブン&アイ・ホールディングス監査役、清明祐子マネックスグループ代表執行役社長COO、吉村貴典丸一鋼管取締役副会長、鈴木美奈子鈴茂器工代表取締役会長、三輪光雄日本証券クリアリング機構取締役兼執行役員、石井仁国際自動車取締役相談役、大槻祐依Fint代表取締役Founder/CEOからお話をいただきました。


会員近況報告後は会場の至る所で会員間歓談の輪ができ、ビジネスの話や経営課題について語り合うなど、にぎやかに談笑が続く中、次回例会での再会を約して、閉会となりました。

*室住氏経歴・著書
外資系コンサルティング会社を経て、KPMGコンサルティングに参画。長年にわたり日本企業のDX実現を牽引してきた。現在は単なるデジタル化にとどまらない、『AIX(AIトランスフォーメーション)』の最前線に立ち、企業のAIを前提とした競争優位性を再定義し、「次世代オペレーティングモデル」へと組織を再設計するための戦略立案から業務変革までを一気通貫で支援をしている。
• 『機械学習・⼈⼯知能業務活⽤の⼿引き~導⼊の判断・具体的応⽤とその運⽤設計事例集』
情報機構(2017年)
• 『AIシステム構築実践ノウハウ企業ITに⼈⼯知能を⽣かす』⽇経システムズ(2019年)
等、著書・寄稿多数